Nature ハイライト
気候科学:氷流と氷床の安定性
Nature 530, 7590
グリーンランド氷床と南極氷床を排水する巨大な氷流は、温暖化する気候において暴走的に加速し始めるだろうか。そうだとしたら、海水準が急速に上昇する最悪のシナリオが起こる可能性がある。C Stokesたちは今回、2万2000~7000年前に起こったローレンタイド氷床の後退から入手できる証拠を集め、退氷の際に、氷流の数と総排水量が減少したことを示している。これは、氷床自体の大きさが小さくなるとともに氷流の活動が低下し、これまで示唆されていたような、暴走的な氷床の消滅に氷流は寄与しないことを示唆している。しかし、今回の結果は、ローレンタイド氷床の後退に固有なものであり、現在の状況に必ずしも直接適用できるものではない。
2016年2月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ため息中枢ニューロンの発見
構造生物学:酵母U4/U6.U5 tri-snRNPの構造
量子物理学:新しい量子情報アーキテクチャー
気候科学:氷流と氷床の安定性
人類学:安定性をもたらす力としての人の道を説く神
進化遺伝学:進化上の変化を追跡する
幹細胞:腸陰窩でのWntシグナル伝達
発生生物学:幹細胞の性
免疫学:血液と脳の間でのT細胞のやりとり
免疫学:NEK7はNLRP3インフラマソームの活性化を仲介する
構造生物学:レトロウイルス八量体インテグラーゼの構造