Nature ハイライト
免疫学:血液と脳の間でのT細胞のやりとり
Nature 530, 7590
A Flügelたちは今回、多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎のラットを使い、炎症を誘導する自己反応性T細胞が養子移入の間に末梢血から脳へ運ばれる機序を調べた。T細胞は、供給源だろうと考えられていた脈絡膜叢ではなく、軟膜空間から脳脊髄液に入り込むことが明らかにされ、運ばれたT細胞は、完全な抗原応答性と病原性を維持していた。つまり多発性硬化症では、脳脊髄液に容易に到達できるT細胞の特徴は、病原性T細胞の特性と機能に関連している可能性が考えられる。
2016年2月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ため息中枢ニューロンの発見
構造生物学:酵母U4/U6.U5 tri-snRNPの構造
量子物理学:新しい量子情報アーキテクチャー
気候科学:氷流と氷床の安定性
人類学:安定性をもたらす力としての人の道を説く神
進化遺伝学:進化上の変化を追跡する
幹細胞:腸陰窩でのWntシグナル伝達
発生生物学:幹細胞の性
免疫学:血液と脳の間でのT細胞のやりとり
免疫学:NEK7はNLRP3インフラマソームの活性化を仲介する
構造生物学:レトロウイルス八量体インテグラーゼの構造