Nature ハイライト

幹細胞:腸陰窩でのWntシグナル伝達

Nature 530, 7590

Wntシグナル伝達経路は、腸幹細胞ニッチの重要なメディエーターであり、マウス小腸内壁の上皮にある腸陰窩構造の維持に関与している。Wnt3はパネート細胞により分泌されて腸幹細胞に作用するが、in vivoでWnt3の行方を追うのはこれまで不可能だったため、Wnt3の伝播に拡散による勾配が関わっているのかどうかは明らかでなかった。今回H Farinたちは、タグの付いたWnt3を作製し、オルガノイドを使った系でWnt3が腸幹細胞の側底側細胞膜に結合すること、また、拡散によるのではなく、細胞分裂による細胞膜の分配を介して伝播していくことを明らかにした。

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