Nature ハイライト
幹細胞:腸陰窩でのWntシグナル伝達
Nature 530, 7590
Wntシグナル伝達経路は、腸幹細胞ニッチの重要なメディエーターであり、マウス小腸内壁の上皮にある腸陰窩構造の維持に関与している。Wnt3はパネート細胞により分泌されて腸幹細胞に作用するが、in vivoでWnt3の行方を追うのはこれまで不可能だったため、Wnt3の伝播に拡散による勾配が関わっているのかどうかは明らかでなかった。今回H Farinたちは、タグの付いたWnt3を作製し、オルガノイドを使った系でWnt3が腸幹細胞の側底側細胞膜に結合すること、また、拡散によるのではなく、細胞分裂による細胞膜の分配を介して伝播していくことを明らかにした。
2016年2月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ため息中枢ニューロンの発見
構造生物学:酵母U4/U6.U5 tri-snRNPの構造
量子物理学:新しい量子情報アーキテクチャー
気候科学:氷流と氷床の安定性
人類学:安定性をもたらす力としての人の道を説く神
進化遺伝学:進化上の変化を追跡する
幹細胞:腸陰窩でのWntシグナル伝達
発生生物学:幹細胞の性
免疫学:血液と脳の間でのT細胞のやりとり
免疫学:NEK7はNLRP3インフラマソームの活性化を仲介する
構造生物学:レトロウイルス八量体インテグラーゼの構造