Nature ハイライト
進化遺伝学:現生人類とネアンデルタール人の間の初期の遺伝子交換
Nature 530, 7591
今回S Castellanoたちは、シベリアのアルタイ山脈で出土したネアンデルタール人およびデニソワ人と、スペインおよびクロアチアで出土したネアンデルタール人のゲノムデータを解析した。人口統計学的モデルによるベイズ推定法であるG-PhoCS(Generalized Phylogenetic Coalescent Sampler)を用いることで、これまでに報告されている現生人類と旧人類の間の遺伝子流動事象に関して予備的な定量的推定値が得られた。また、10万年以上前に初期の現生人類集団からアルタイ山脈のネアンデルタール人の祖先に向かう遺伝子流動が起こったことの証拠も得られた。この流動の向きは、ネアンデルタール人から現生人類へという既知の遺伝子流動事例とは逆である。
2016年2月25日号の Nature ハイライト
進化遺伝学:現生人類とネアンデルタール人の間の初期の遺伝子交換
免疫学:T細胞を動員して自己免疫を軽減する
エピジェネティクス:RNAのm1A修飾
エピジェネティクス:MLL酵素群の活性化機構
宇宙論:位置が特定された高速電波バースト
無機化学:鉄触媒を用いた水の酸化
生物地球科学:長期にわたる海洋の炭素シンク
社会進化:罰を与えることは信頼性の印となる
古生物学:ヒト族の歯のサイズの進化
がんの代謝:アミノ酸除去でがんと闘う