Nature ハイライト

進化遺伝学:現生人類とネアンデルタール人の間の初期の遺伝子交換

Nature 530, 7591

今回S Castellanoたちは、シベリアのアルタイ山脈で出土したネアンデルタール人およびデニソワ人と、スペインおよびクロアチアで出土したネアンデルタール人のゲノムデータを解析した。人口統計学的モデルによるベイズ推定法であるG-PhoCS(Generalized Phylogenetic Coalescent Sampler)を用いることで、これまでに報告されている現生人類と旧人類の間の遺伝子流動事象に関して予備的な定量的推定値が得られた。また、10万年以上前に初期の現生人類集団からアルタイ山脈のネアンデルタール人の祖先に向かう遺伝子流動が起こったことの証拠も得られた。この流動の向きは、ネアンデルタール人から現生人類へという既知の遺伝子流動事例とは逆である。

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