Nature ハイライト
生物地球科学:長期にわたる海洋の炭素シンク
Nature 530, 7591
世界の海洋は、この工業時代の間、化石燃料の燃焼によって放出される大量の炭素を吸収してきた。今回、単一の地球システム気候モデルの大規模なアンサンブルであるCESM–LE(Community Earth System Model–Large Ensemble)を用いて、最近数十年と2100年までの海洋の炭素循環の変動性と変化が評価された。この手法によって、大気と海洋の間の炭素フラックスの変化傾向について、人為起源の気候変動に起因するものと内部気候変動に起因するものを区別できるようになる。この研究から、さまざまな海域の海洋の炭素シンクが、今世紀を通してどのように変化すると予測されるかが明らかになった。今回の知見は、大きな内部気候変動のために、大半の海域で人為起源の炭素の吸収速度を直接観測できる可能性は今のところ低いが、2020~2050年には、一部の海域で可能になるかもしれないことを示唆している。
2016年2月25日号の Nature ハイライト
進化遺伝学:現生人類とネアンデルタール人の間の初期の遺伝子交換
免疫学:T細胞を動員して自己免疫を軽減する
エピジェネティクス:RNAのm1A修飾
エピジェネティクス:MLL酵素群の活性化機構
宇宙論:位置が特定された高速電波バースト
無機化学:鉄触媒を用いた水の酸化
生物地球科学:長期にわたる海洋の炭素シンク
社会進化:罰を与えることは信頼性の印となる
古生物学:ヒト族の歯のサイズの進化
がんの代謝:アミノ酸除去でがんと闘う