Cover Story：スーパー耐性菌が増加する：不十分な衛生設備が抗生物質耐性の伝播を助けている

表紙は、ペルーの首都リマ近郊にある掘っ立て小屋ばかりの貧民街、San Juan de Miraflores。抗生物質耐性遺伝子の分布および伝播状態をマッピングすることは、公衆衛生上の優先課題である。G Dantasたちは今回、エルサルバドルの首都サンサルバドルの南35 kmにあり、零細農家が集まっている農村と、ペルーのリマから南西に約15 km離れた砂丘にある貧民街という、ラテンアメリカの2つの低所得コミュニティーを選んで、細菌群集構造と耐性遺伝子交換ネットワークの特徴を調べた。相互につながりのあるヒト糞便試料と環境試料数百点について機能ゲノミクスとメタゲノム規模の塩基配列解読を行った結果、居住地全域にわたるレジストームはおおむね、生態学的勾配に沿って細菌の系統によって構造化されていることが分かったが、重要な耐性遺伝子はその境界を越えることがあるのも明らかになった。著者たちはまた、耐性遺伝子伝播の防止における排泄物管理計画の有用性も評価した。まとめると、今回の研究は多様な環境の全体にわたる抗生物質耐性遺伝子伝播の定量的リスク評価および監視を行うための基礎となるものといえる。

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