Nature ハイライト
神経科学:性特異的に再結合する神経ネットワーク
Nature 533, 7602
雌雄間の行動の違いの大部分は、胚発生中に性特異的ニューロンが出現するか、あるいは両性が共有するニューロンに性特異的結合が出現して生じると考えられている。今回O Hobertたちは、線虫の一種Caenorhabditis elegansの感覚ニューロンが、最初は雄特異的なパターンでも雌雄同体特異的なパターンでも結合するが、その後、性成熟の過程でこれらの結合の特定サブセットの剪定がそれぞれの性で起こり、性特異的な結合パターンを作り出すことを見いだした。著者たちはさらに、関連する遺伝的機構とこの再結合過程が行動にもたらす結果の両方を明らかにしている。この遺伝的機構は、実験的に扱いにくい他の動物モデルにも当てはまる可能性が高い。
2016年5月12日号の Nature ハイライト
気候科学:モンスーン変動の起源
ゲノム進化:サケ科ゲノムの進化を探る手掛かり
神経科学:性特異的に再結合する神経ネットワーク
量子物理学:フェムト秒光パルスを使った準粒子衝突型加速器
有機化学:活性化されていないC–H結合の官能基化
大気科学:始生代の上層大気
生物地理学:新世界ザルの初期の移動
神経科学:四肢麻痺における筋応答の部分的回復
人体発生学:ヒト初期胚モデル
微生物学:腸内微生物の間に見られる協力関係
構造生物学:アデノシンA2A受容体の活性化