Nature ハイライト
気候科学:モンスーン変動の起源
Nature 533, 7602
地域的なモンスーンシステムの将来の状況を予測することは、極めて重要だが、極めて困難である。今回M Mohtadiたちは、気候モデルシミュレーションというレンズを通して解釈された古気候の記録から得られた証拠を調べ、モンスーン変動が南北方向の温度勾配によって駆動され、モンスーンシステムの地域性が大きいことを示している。今回の主要な結論は、モンスーンダイナミクスの既存の理論と矛盾しないが、この概説では、温度勾配はさまざまな過程によって変化することがあり、そうした過程は全て、さまざまな境界条件下で個別に作用するように思われることも示されている。従って、モンスーン変動に影響を及ぼす機構に対する単一の統合的見解を構築することは驚くほど困難である。
2016年5月12日号の Nature ハイライト
気候科学:モンスーン変動の起源
ゲノム進化:サケ科ゲノムの進化を探る手掛かり
神経科学:性特異的に再結合する神経ネットワーク
量子物理学:フェムト秒光パルスを使った準粒子衝突型加速器
有機化学:活性化されていないC–H結合の官能基化
大気科学:始生代の上層大気
生物地理学:新世界ザルの初期の移動
神経科学:四肢麻痺における筋応答の部分的回復
人体発生学:ヒト初期胚モデル
微生物学:腸内微生物の間に見られる協力関係
構造生物学:アデノシンA2A受容体の活性化