Nature ハイライト
生物地理学:新世界ザルの初期の移動
Nature 533, 7602
南米と北米は約350万年前まで海で隔てられていたが、パナマ地峡の出現によってつながった。それに続いて起こった陸生動物の移動という劇的な出来事は、「南北アメリカ生物大交換(Great American Biotic Interchange)」として知られている。今回、パナマ運河の拡張に伴う新たな発掘で、意外にも、約2100万年前の前期中新世の新世界ザルの化石が発見された。これは、北米大陸で初めて見つかった化石サル類である。この発見は、前期中新世のカリブ海地域では現在考えられているよりも多くの動植物が海を越えて分散できたという説を裏付けている。
2016年5月12日号の Nature ハイライト
気候科学:モンスーン変動の起源
ゲノム進化:サケ科ゲノムの進化を探る手掛かり
神経科学:性特異的に再結合する神経ネットワーク
量子物理学:フェムト秒光パルスを使った準粒子衝突型加速器
有機化学:活性化されていないC–H結合の官能基化
大気科学:始生代の上層大気
生物地理学:新世界ザルの初期の移動
神経科学:四肢麻痺における筋応答の部分的回復
人体発生学:ヒト初期胚モデル
微生物学:腸内微生物の間に見られる協力関係
構造生物学:アデノシンA2A受容体の活性化