Nature ハイライト

構造生物学:アデノシンA2A受容体の活性化

Nature 533, 7602

アデノシンA2A受容体はクラスAのGタンパク質共役受容体で、多数の病気の薬剤標的として重要である。今回S Prosserたちは、19F NMRを用いてアデノシンA2A受容体の動態を調べ、この受容体が、4種類の状態(2つは不活性で他の2つは活性)が平衡状態にあるアンサンブルとして存在していることを見いだした。インバースアゴニストを加えると不活性状態をとる受容体の数が増える。完全アゴニストを加えると活性状態の1つが安定化されるが、部分アゴニスト、あるいはアロステリック修飾因子を加えると、もう1種類の活性状態をとるものだけが増える。これらの知見は、受容体の部分的活性化と完全な活性化の両方が、異なる活性化状態に当たるコンホメーションの選択によって生じることを示している。

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