Nature ハイライト
神経科学:脅威への反応を選択する脳の回路
Nature 534, 7606
脅威を感じたマウスは、能動的に逃走するか受動的に「不動化する(すくむ)」か、という2つの主な防御法のいずれかを選ぶ。今回A Lüthiたちは、光遺伝学的手法、電気生理学的手法、神経解剖学の追跡法を組み合わせて、これらの異なる戦略の制御の基盤にある神経回路を明らかにした。扁桃体から中脳水道周囲灰白質に至る経路は、すくみ反応を促すばかりでなく、逃走反応を促す回路とも相互作用していた。すくみ反応は、魚類・齧歯類・霊長類など多くの種で進化的に保存された行動である。ヒトでは、この「生存回路」の調節障害が、不安関連障害に関連するとされてきた。
2016年6月9日号の Nature ハイライト
微生物群集:実験計画法とマイクロバイオーム
集団遺伝学:後期旧石器時代のユーラシア人
神経科学:脅威への反応を選択する脳の回路
ナノテクノロジー:環状の軌道を動くナノマシン
地球化学:下部マントルのさびの分解
古人類学:フローレス原人の第2の遺跡
微生物群集:ヒトマイクロバイオームの動態
医学研究:ブラジルのジカウイルスはマウスで先天異常を引き起こす
がん治療:腫瘍耐性を阻止する二価のmTOR阻害剤
構造生物学:0.48 Å分解能で得られた金属タンパク質の構造