Nature ハイライト
微生物群集:ヒトマイクロバイオームの動態
Nature 534, 7606
ヒトの体に関連する微生物群集は複雑で高度に個別化された生態系であり、その生態学的動態はほとんど理解されていない。これらが主に宿主非依存的(つまり「普遍的」)であるのか、宿主特異的であるのかは明らかになっていないが、その答えはマイクロバイオームを基盤とする介入法の開発に重要である。今回著者たちは、ヒトに関連する微生物群集の動態の特徴を明らかにするための新しい計算法を報告し、この方法を2つの非常に大規模なマイクロバイオーム研究のデータに適用した。その結果から、腸内と口腔内のマイクロバイオームは普遍的な動態を示すが、皮膚のマイクロバイオームは宿主環境によって形成されると考えられる。Clostridium difficile感染者ではこのような普遍的な腸内微生物動態が観察されないが、糞便微生物相移植後には普遍的な動態が再び現れた。
2016年6月9日号の Nature ハイライト
微生物群集:実験計画法とマイクロバイオーム
集団遺伝学:後期旧石器時代のユーラシア人
神経科学:脅威への反応を選択する脳の回路
ナノテクノロジー:環状の軌道を動くナノマシン
地球化学:下部マントルのさびの分解
古人類学:フローレス原人の第2の遺跡
微生物群集:ヒトマイクロバイオームの動態
医学研究:ブラジルのジカウイルスはマウスで先天異常を引き起こす
がん治療:腫瘍耐性を阻止する二価のmTOR阻害剤
構造生物学:0.48 Å分解能で得られた金属タンパク質の構造