Nature ハイライト
古人類学:フローレス原人の第2の遺跡
Nature 534, 7606
小型のヒト族であるフローレス原人(Homo floresiensis)の遺骨は、最近まで、インドネシア・フローレス島のリャン・ブア洞窟1か所でしか見つかっていなかった。しかし今週号の2本の論文で報告されているように、フローレス島のリャン・ブアの東に位置するマタ・メンゲという第2の遺跡で新たな化石が見つかった。G van den Berghたちは、下顎の断片1個と複数個体由来の分離した歯について記載している。これらはリャン・ブアの下顎や歯と同等かそれ以上に小型だが、はるかに古い約70万年前のものであり、その形態は起源がアジアのホモ・エレクトスであることを裏付けている。またA Brummたちは、マタ・メンゲ遺跡の層序や年代、環境および動物相の背景を示している。このヒト族は約70万年前に、高温で乾燥したサバンナ草原で、強固な湿地要素も伴う場所に住んでいた。この化石群と共に見つかった石器は単純なものであり、年代がはるかに新しいリャン・ブアのフローレス原人に付随する石器に酷似している。
2016年6月9日号の Nature ハイライト
微生物群集:実験計画法とマイクロバイオーム
集団遺伝学:後期旧石器時代のユーラシア人
神経科学:脅威への反応を選択する脳の回路
ナノテクノロジー:環状の軌道を動くナノマシン
地球化学:下部マントルのさびの分解
古人類学:フローレス原人の第2の遺跡
微生物群集:ヒトマイクロバイオームの動態
医学研究:ブラジルのジカウイルスはマウスで先天異常を引き起こす
がん治療:腫瘍耐性を阻止する二価のmTOR阻害剤
構造生物学:0.48 Å分解能で得られた金属タンパク質の構造