Nature ハイライト
微生物学:mavirusプロヴィロファージは宿主の原生生物を防御する
Nature 540, 7632
M FischerとT Hacklは今回、海洋性原生動物で発見された内在性ウイルスエレメントが、巨大ウイルスの感染に対する防御において機能することを明らかにした。ヴィロファージは最近発見されたDNAウイルスのグループであり、原生生物に感染するミミウイルスのような巨大DNAウイルスに対する絶対寄生体である。著者たちは、Maverick/Polintonエレメントと呼ばれる自己合成するDNA型トランスポゾンのクラスと進化的に起源が同じヴィロファージであるmavirusが、海洋性原生動物であるCafeteria roenbergensisのゲノムに組み込まれることを見いだした。巨大ウイルスのCafeteria roenbergensisウイルス(CroV)をin vitroでこの原生動物に重複感染させると、感染性のmavirus粒子の産生が誘導されて宿主細胞の溶解時に放出され、その結果CroVに感染した別の鞭毛虫集団において、CroVの複製を抑制することができる。
2016年12月8日号の Nature ハイライト
神経科学:ガンマリズムの乱れとアルツハイマー病の病理
免疫学:S-2-ヒドロキシグルタル酸による幅広い免疫刺激
分子生物学:m6Aは神経活動を調節する
宇宙論:静穏な状態にある星形成銀河
テクトニクス:大洋中央海嶺におけるテクトニック応力
生物多様性:土地利用の強化と生物多様性
生物医学:新しいミトコンドリア置換技術
微生物学:治療薬になる可能性が見えてきた抗菌物質ミクロシン
微生物学:mavirusプロヴィロファージは宿主の原生生物を防御する
タンパク質設計:ウイルスに似た薬物送達システム
細胞生物学:染色体歩行を用いた染色体トポロジーの決定