Nature ハイライト
Cover Story:化石の証拠:知られている限り最古の新口動物が見つかり、系統樹の根が広がった
Nature 542, 7640
表紙は、今回発見されたカンブリア紀最初期にさかのぼる新口動物であるSaccorhytus coronariusを再現したものである。新口動物には、脊椎動物、ヒトデ類、ギボシムシ類、被嚢動物などさまざまな異なる生物が含まれる。このように多種多様であり、形態上の中間的生物が現存していないため、初期の新口動物がどのようなものであったかを解明するのは困難である。今回、S Morrisたちが中国で発見した微小な化石群から、袋状の体を持ち肛門を持たない生物が明らかになった。これらの標本に見られる原始的な特徴から、著者たちは、Saccorhytusは既知の新口動物類の中で最も基部に位置すると解釈し、その最初期の歴史がメイオファウナの中にあったと示唆している。
2017年2月9日号の Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
幹細胞:キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
天文学:中間質量ブラックホールの検出
物理学:細菌の集団振動
気候科学:海洋の鉛直循環が二酸化炭素の取り込みを制御する
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
免疫学:シトクロムP4501はAHRリガンドを調節する
細胞生物学:Sasとその受容体は抗がん応答を引き起こす
細胞生物学:ペルオキシソームの形成にはミトコンドリアが役割を果たしている
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害