Nature ハイライト
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
Nature 542, 7640
遺伝子発現を制御する低分子RNAであるマイクロRNA(miRNA)は、標的メッセンジャーRNA(mRNA)と相互作用する前に、エフェクタータンパク質であるArgonaute 2(AGO2)に装填される。J Mendellたちは今回、この相互作用が起こるときに、CSNK1A1がAGO2の複数の保存部位をリン酸化することを見いだした。この修飾は、ANKRD52–PPP6Cホスファターゼの活性により迅速に外れる。AGO2のリン酸化はmiRNA–mRNA相互作用を阻害するが、非リン酸化変異体AGO2はmiRNA依存性サイレンシングの調節異常を示す。これはmiRNA結合の特異性の消失が原因と考えられ、このリン酸化サイクルの役割はmiRNAの標的への選択的な結合の亢進であることが示唆される。
2017年2月9日号の Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
幹細胞:キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
天文学:中間質量ブラックホールの検出
物理学:細菌の集団振動
気候科学:海洋の鉛直循環が二酸化炭素の取り込みを制御する
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
免疫学:シトクロムP4501はAHRリガンドを調節する
細胞生物学:Sasとその受容体は抗がん応答を引き起こす
細胞生物学:ペルオキシソームの形成にはミトコンドリアが役割を果たしている
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害