Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
Nature 542, 7640
遺伝的要因が大きく影響するポリジーン形質であるヒトの身長は、複雑な形質の遺伝的解析のモデルとなってきた。ゲノム規模の関連研究によって、これまでに約700のありふれたバリアントが身長と関連付けられているが、低頻度のバリアントや希少なバリアントが果たす役割については、系統的な評価は行われていなかった。今回GIANTコンソーシアムのG Lettre、J Hirschhornたちは、71万1418人のゲノムのコード領域を解析し、身長に関連する計120の座位を発見したことを報告している。このうち32は希少なコーディングバリアント、51は低頻度のコーディングバリアントで、これら83の身長関連バリアントからは、成長に関連する新たな候補遺伝子や候補経路、成長障害に関わることが知られている生物学的経路が明らかになった。これらの解析結果は、ヒトの身長に関するゲノム構造を知る手掛かりになる。
2017年2月9日号の Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
幹細胞:キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
天文学:中間質量ブラックホールの検出
物理学:細菌の集団振動
気候科学:海洋の鉛直循環が二酸化炭素の取り込みを制御する
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
免疫学:シトクロムP4501はAHRリガンドを調節する
細胞生物学:Sasとその受容体は抗がん応答を引き起こす
細胞生物学:ペルオキシソームの形成にはミトコンドリアが役割を果たしている
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害