Nature ハイライト
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害
Nature 542, 7640
セパラーゼは、姉妹染色分体が分離しないようにつなぎ止めておく働きをしているコヒーシンに作用するプロテアーゼで、細胞分裂の際に姉妹染色分体を適切なタイミングで解離させる。このセパラーゼの活性は、その阻害因子であるセキュリンにより抑制されている。L TongとS Luoは今回、酵母のセパラーゼ–セキュリン複合体の高分解能構造を解いた。その構造から、セキュリンは自身の短い領域をセパラーゼの活性部位へと挿入し、それによって活性を阻害していることが示され、阻害機構が明らかになった。生化学的研究からは、セパラーゼの活性部位の外部でのセキュリンとの接触が複合体の安定化に非常に重要であることも示された。
2017年2月9日号の Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
幹細胞:キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
天文学:中間質量ブラックホールの検出
物理学:細菌の集団振動
気候科学:海洋の鉛直循環が二酸化炭素の取り込みを制御する
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
免疫学:シトクロムP4501はAHRリガンドを調節する
細胞生物学:Sasとその受容体は抗がん応答を引き起こす
細胞生物学:ペルオキシソームの形成にはミトコンドリアが役割を果たしている
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害