Nature ハイライト
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
Nature 542, 7640
人間活動は、生物多様性および生態系機能に有害な影響を及ぼす場合が多いが、そうした影響が生態系群集を標的にした操作によって効果的に緩和および解消されるのかどうかは、大きな議論のテーマとなっている。今回、C Kaiser-Bunburyたちは、生態系修復の1つの手法(全ての外来植物種の除去という植生修復)がセーシェルの山頂群集の植物–花粉媒介者ネットワークの構造および機能に与える影響について評価している。植生修復は、花粉媒介者の種数および訪花回数を顕著に増加させた。また、花粉媒介者の相互作用多様性の増大、さらには重要なことに、果実作物および在来植物の花粉媒介の増加も見られた。これらの知見は、生態系機能(今回の場合は花粉媒介)の劣化が、少なくとも部分的には可逆的であることを示唆している。
2017年2月9日号の Nature ハイライト
遺伝学:希少な遺伝的バリアントを新たな高みに
幹細胞:キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える
分子生物学:Argonauteのリン酸化がマイクロRNAを調節する
天文学:中間質量ブラックホールの検出
物理学:細菌の集団振動
気候科学:海洋の鉛直循環が二酸化炭素の取り込みを制御する
生態学:植物群落の修復が花粉媒介を促進する
免疫学:シトクロムP4501はAHRリガンドを調節する
細胞生物学:Sasとその受容体は抗がん応答を引き起こす
細胞生物学:ペルオキシソームの形成にはミトコンドリアが役割を果たしている
生化学:セキュリンによるセパラーゼの阻害