Nature ハイライト
Cover Story:危機に瀕するサンゴ礁:20年間にわたる調査で明らかになった、サンゴの白化の壊滅的な広がり
Nature 543, 7645

Credit: Terry Hughes, ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies
表紙は、2016年にグレートバリアリーフ北部で撮影された白化したサンゴの画像。今回、T Hughesたちの研究によって、過去20年間に起きた複数のサンゴ白化事象の分布を累積すると、グレートバリアリーフのほぼ全域に広がることが明らかになった。2016年の白化事象は最も深刻で、個々のサンゴ礁の91%が影響を受けていた。著者たちは、航空機観測および水中観測のデータと、衛星観測による海面水温のデータとを組み合わせて用い、繰り返すサンゴの大規模白化事象における地理的分布の変化を評価した。今回の結果は、気候変動がグレートバリアリーフに及ぼす影響の深刻さを明らかにしており、著者たちは、サンゴ礁の未来を守るには、世界規模の速やかな行動が必要であると主張している。
2017年3月16日号の Nature ハイライト
がん:子宮頸がんのゲノム・分子基盤
生理学:骨による食欲調節
神経生理学:軟骨魚類の電場感知
宇宙物理学:初期銀河の暗黒物質はそれほど多くなかった
応用物理学:チップ検査を3Dで
大気化学:バイオ燃料飛行の環境影響
幹細胞:代謝と腸の再生
がん:乳がん治療に抗腫瘍マクロファージを使う
細胞生物学:ストレスを受けたタンパク質はミトコンドリアに取り込まれる
分子生物学:秩序立った構造を持たないタンパク質スイッチが低酸素応答を停止させる