Nature ハイライト
幹細胞:代謝と腸の再生
Nature 543, 7645
小腸陰窩は生涯にわたって再生する。これは陰窩の底部に位置する自己再生する幹細胞のおかげである。分化したパネート細胞は、これらの幹細胞の再生能を調節するシグナル伝達分子群を供給する。代謝が陰窩の自己再生にどのような影響を与えるかは詳細に研究されてない。今回B Burgeringたちは、腸幹細胞の代謝要求はミトコンドリア活性に依存しているが、パネート細胞は、幹細胞の酸化的代謝に必要な乳酸を解糖により供給していることを示す。これによってp38 MAPキナーゼが活性化され、成熟した陰窩の再生が確実に行われる。これらの知見から、特定の小腸細胞の代謝は、幹細胞機能を支えるために重要な役割を果たしていると考えられる。
2017年3月16日号の Nature ハイライト
がん:子宮頸がんのゲノム・分子基盤
生理学:骨による食欲調節
神経生理学:軟骨魚類の電場感知
宇宙物理学:初期銀河の暗黒物質はそれほど多くなかった
応用物理学:チップ検査を3Dで
大気化学:バイオ燃料飛行の環境影響
幹細胞:代謝と腸の再生
がん:乳がん治療に抗腫瘍マクロファージを使う
細胞生物学:ストレスを受けたタンパク質はミトコンドリアに取り込まれる
分子生物学:秩序立った構造を持たないタンパク質スイッチが低酸素応答を停止させる