Nature ハイライト
神経生理学:軟骨魚類の電場感知
Nature 543, 7645
サメやエイなどの軟骨魚類は、特殊な電気感覚器官のおかげで電場の微細な変化を感知できるが、その生物物理学的機構はまだ解明されていない。今回D Juliusたちは、ガンギエイの一種Leucoraja erinaceaの電気感覚細胞では、電位依存性カルシウムチャネルCaV1.3とカルシウム活性化カリウム(BK)チャネルが共に働いて細胞膜の電位振動を引き起こし、周辺の弱い電気信号の感知を可能にしていることを明らかにしている。この研究では、この2種類のチャネルがどのような構造的適応によって哺乳類オルソログと異なったものになり、低い電位閾値での活性化や電位振動の調整が可能になったかについて、詳細に分析している。
2017年3月16日号の Nature ハイライト
がん:子宮頸がんのゲノム・分子基盤
生理学:骨による食欲調節
神経生理学:軟骨魚類の電場感知
宇宙物理学:初期銀河の暗黒物質はそれほど多くなかった
応用物理学:チップ検査を3Dで
大気化学:バイオ燃料飛行の環境影響
幹細胞:代謝と腸の再生
がん:乳がん治療に抗腫瘍マクロファージを使う
細胞生物学:ストレスを受けたタンパク質はミトコンドリアに取り込まれる
分子生物学:秩序立った構造を持たないタンパク質スイッチが低酸素応答を停止させる