Nature ハイライト
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
Nature 551, 7680
がんの初期段階からのプログレッションは、適応免疫によって引き起こされる場合があると考えられている。しかし適応免疫が果たす役割については結論が出ていない。M Karinたちは今回、非アルコール性脂肪肝を発症しているヒトとマウスの炎症を起こした肝臓にはPD-L1を発現するIgA+ B細胞が蓄積することを明らかにしている。炎症誘導性のこのIgA+細胞は、肝臓でアグレッシブな肝細胞がんの発症を防止している細胞傷害性CD8+ T細胞を抑制することで、がんのプログレッションを促進する。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる