Nature ハイライト
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
Nature 551, 7680
アルキル化によるDNA損傷の修復を開始させる上流シグナル伝達経路はよく分かっていない。N Mosammaparastたちは今回、アルキル化損傷部位の周辺にASCC(activating signal cointegrator complex)が動員され、転写因子やスプライシング因子と共局在することを発見した。このASCCの動員は、E3リガーゼであるRNF113A(RING finger protein 113A)によって形成されたK63結合型ポリユビキチン鎖に対してASCC2タンパク質が結合する能力に依存するが、そのポリユビキチン化の標的はまだ不明である。X連鎖性裂毛症の患者はRNF113Aに変異を持っており、今回の知見によって、こうした患者がアルキル化剤に過剰な感受性を示す原因が明らかになった。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる