Nature ハイライト
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
Nature 551, 7680
我々は皆、粉粒体(例えば砂)をよく知っているといえる。従って、粉粒体の特性についてまだ分かっていないことが多いと聞くと、意外に思うかもしれない。粉粒系は、そのままにしておくと最終的には安定した構造に落ち着く。しかし、粉粒系を乱すと粉粒は動き回り、その動きはゆっくり流れるガラス系での原子のそれに似ていると考えられている。今回B Kouたちによって新たに得られた結果は、このガラス系の例えが当てはまらないことを示している。乱した粉粒媒質中の粉粒の三次元運動がX線トモグラフィーによって追跡され、ガラス系に見られるものとは異なる動的挙動が見いだされたのである。著者たちは、この異常な挙動が粉粒間の摩擦の存在に由来することを突き止めた。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる