Nature ハイライト
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
Nature 551, 7680
冥王星の気温は、標準的な理論による予測よりも低いことが観測された。考えられる説明の1つは水蒸気の存在であるが、そのような寒冷な大気を生じるには、平衡から桁違いにずれていなければならないと思われる。今回X Zhangたちは、モデリングを通して、冥王星の気温を調節しているのはガス分子ではなくもや(haze)の粒子であり、これは太陽系内で独特であることを示している。このことから、冥王星が以前に考えられていたよりも中赤外波長域で明るいはずであるという明瞭な予測が得られる。この予測は、再来年打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で検証できるはずである。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる