Nature ハイライト
神経科学:移動運動速度の制御回路
Nature 551, 7680
移動運動は多くの動物に普遍的な行動で、脳と脊髄の複数の領域と回路によって制御されている。今回、S Arberたちは、マウスの尾側脳幹内に、神経伝達物質の種類、結合性、位置で識別可能な、機能的に異なる複数のニューロン亜集団があり、移動運動のパラメーターに影響を与えていることを明らかにしている。そのうちの1つ、外側巨細胞性傍核(LPGi)のグルタミン酸作動性ニューロン亜群は、高速の移動運動に不可欠で、中脳の移動運動中枢から入力を受けて移動運動の速さを調整できる。逆にグリシン作動性ニューロン亜群は、移動運動行動を停止させる。これらの異なるニューロン亜集団は、脊髄内の別個の回路と連絡し、移動運動行動の調整ための相反的な機能を持つそれぞれの経路の基盤となっている。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる