Nature ハイライト
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
Nature 551, 7680
インターフェロン誘導性のGBP(guanylate-binding protein)が、病原体に対する免疫で重要な役割を担っていることが最近認識されるようになってきた。今回F Shaoたちは、腸内病原体であるフレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)が宿主防御に対抗する機構を報告している。マウスがフレクスナー赤痢菌を感染すると、フレクスナー赤痢菌のエフェクターであるE3リガーゼIpaH9.8が多様なGBPをユビキチン化して、GBPのプロテアソーム分解を開始させることが分かった。IpaH9.8活性が存在しないか阻害されていると、GBPは細菌の増殖を制限することができた。このようなIpaH9.8による宿主GBPを標的とした分解は、病原性細菌のこれまで知られていなかった細菌の毒性戦略である。
2017年11月16日号の Nature ハイライト
地球物理学:深部マントルの神秘
腫瘍免疫学:脂肪肝でのがんリスクの増大
生化学:酵素の動態をFRETで見る
惑星科学:冥王星はもやのため寒い
材料科学:これまでの考えとは異なる粉粒体の動き
生態学:保全のコスト
神経科学:移動運動速度の制御回路
微生物学:腸内の細菌が宿主防御を打ち破る
分子生物学:ユビキチンがDNAアルキル化の修復を推進する
構造生物学:エボラを入れる箱を組み立てる