Nature ハイライト
Cover Story:ねじれた眺め:反復高速電波バースト源の極めて強い磁場環境を示す回転する電波
Nature 553, 7687
表紙は、プエルトリコにあるアレシボ天文台のWilliam E Gordon電波望遠鏡である。今回J Hesselsたちはこの望遠鏡を使って、唯一知られている反復する高速電波バースト源の物理的性質の解明を試みた。これらの電波バーストはそれぞれが約1ミリ秒間持続するもので、矮銀河の星形成領域に発生源がある。著者たちは、バーストがほぼ100%直線偏波しており、ファラデー回転測度が非常に大きいことを観測した。こうした結果が得られるには、極端に磁化したプラズマという環境が存在する必要があるが、そうした環境はこれまで大質量ブラックホールの周囲でしか見られていない。結果として、著者たちは、これらの電波バーストは、おそらくそうした環境にある中性子星に由来するのではないかと示唆している(ただし、彼らは、原理的には、極めて強く磁化したパルサー風星雲か超新星残骸のいずれかに囲まれた中性子星が、こうした電波バーストの起源である可能性にも言及している)。
2018年1月11日号の Nature ハイライト
神経科学:無脊椎動物のニューロンの再配線
幹細胞:アセトアルデヒドが幹細胞のDNA損傷を引き起こす
天文学:2つの高赤方偏移銀河の回転
惑星科学:ガスによって新たな自転状態に入る彗星
材料科学:半導体の明るい未来
保全生物学:統治が湿地の生物多様性に及ぼす影響
微生物学:大腸の炎症に対抗
生物工学:遺伝性難聴を治療する
がん:融合遺伝子が腫瘍の代謝を促進する
分子生物学:LINE-1のサイレンシングの効果
構造生物学:カルシウムチャネルのこれまで知られていなかったゲート開口方式