Nature ハイライト
材料科学:半導体の明るい未来
Nature 553, 7687
ハロゲン化鉛ペロブスカイト半導体ナノ結晶は、光物理的特性が優れているため、太陽電池や発光ダイオード用の材料としてかなりの関心を集めている。しかし、この半導体ナノ結晶が特別なのはどうしてだろうか。励起子は、ナノ構造半導体の発光特性に根本的に関与する電子励起状態であり、最低エネルギー励起子状態は寿命が長いため発光しにくい(すなわち「ダーク」である)と一般的に考えられている。今回M Beckerたちは、ハロゲン化セシウム鉛ペロブスカイトがこの考えに反すること、つまり最低エネルギー励起子がダークではなく異常に「ブライト」であり、他の半導体ナノ結晶よりもかなり速く光子を放出することを示している。さらに、この異常な振る舞いの原因となる構造的要因と電子的要因が特定され、同様の振る舞いをする可能性のある他の半導体材料を特定する重要な手掛かりが得られた。
2018年1月11日号の Nature ハイライト
神経科学:無脊椎動物のニューロンの再配線
幹細胞:アセトアルデヒドが幹細胞のDNA損傷を引き起こす
天文学:2つの高赤方偏移銀河の回転
惑星科学:ガスによって新たな自転状態に入る彗星
材料科学:半導体の明るい未来
保全生物学:統治が湿地の生物多様性に及ぼす影響
微生物学:大腸の炎症に対抗
生物工学:遺伝性難聴を治療する
がん:融合遺伝子が腫瘍の代謝を促進する
分子生物学:LINE-1のサイレンシングの効果
構造生物学:カルシウムチャネルのこれまで知られていなかったゲート開口方式