Nature ハイライト
微生物学:大腸の炎症に対抗
Nature 553, 7687
腸内細菌科に属する通性嫌気性細菌の腸内での増殖は、ディスバイオーシス(微生物相バランスの乱れ)や炎症性腸疾患と関連付けられている。今回S Winterたちは、タングステン酸塩を投与すると、炎症が起きている際にのみ機能するモリブデン補因子依存的な細菌の呼吸経路が選択的に阻害され、大腸炎のマウスモデルで炎症が緩和されるが、腸内細菌相の構成は変わらないことを示している。この結果は、炎症性疾患への応答における微生物相の精密治療の有望な戦略の1つであるが、同様の手法がヒトでも有効であるかどうかを今後調べる必要がある。
2018年1月11日号の Nature ハイライト
神経科学:無脊椎動物のニューロンの再配線
幹細胞:アセトアルデヒドが幹細胞のDNA損傷を引き起こす
天文学:2つの高赤方偏移銀河の回転
惑星科学:ガスによって新たな自転状態に入る彗星
材料科学:半導体の明るい未来
保全生物学:統治が湿地の生物多様性に及ぼす影響
微生物学:大腸の炎症に対抗
生物工学:遺伝性難聴を治療する
がん:融合遺伝子が腫瘍の代謝を促進する
分子生物学:LINE-1のサイレンシングの効果
構造生物学:カルシウムチャネルのこれまで知られていなかったゲート開口方式