Nature ハイライト
分子生物学:LINE-1のサイレンシングの効果
Nature 553, 7687
LINE-1(L1)レトロトランスポゾンは、ヒトゲノムの約17%を占め、ヒトで唯一活性のある自律的な転位性遺伝因子である。今回J Wysockaたちは、ヒト細胞株でL1レトロ転位を制御する因子の体系的なCRISPR–Cas9スクリーニングを行った。その結果、L1活性を転写レベルあるいは転写後レベルで制御する、機能的に多様な因子や経路の情報資源が得られた。また、MORC2やHUSH複合体サブユニットによるL1レトロトランスポゾンの転写サイレンシングは、転写活性のある遺伝子のイントロン内で起こり、これらの遺伝子の発現を抑制できることも明らかになり、レトロトランスポゾンのサイレンシングが宿主遺伝子発現プログラムにどのように影響を及ぼし得るかが示された。
2018年1月11日号の Nature ハイライト
神経科学:無脊椎動物のニューロンの再配線
幹細胞:アセトアルデヒドが幹細胞のDNA損傷を引き起こす
天文学:2つの高赤方偏移銀河の回転
惑星科学:ガスによって新たな自転状態に入る彗星
材料科学:半導体の明るい未来
保全生物学:統治が湿地の生物多様性に及ぼす影響
微生物学:大腸の炎症に対抗
生物工学:遺伝性難聴を治療する
がん:融合遺伝子が腫瘍の代謝を促進する
分子生物学:LINE-1のサイレンシングの効果
構造生物学:カルシウムチャネルのこれまで知られていなかったゲート開口方式