Nature ハイライト
核物理学:大質量星内で促進される炭素燃焼
Nature 557, 7707
炭素燃焼は、大質量星の内部や質量降着を伴う中性子星表面で起こる重要な物理過程であるが、その核融合反応率は、これに関連する温度領域では技術的に難しいため測定されていない。恒星モデルで使われる反応率は、もっと高い温度から外挿されたものであり、共鳴が存在する可能性を無視している。今回A Tuminoたちは、天体物理学的に有意義な温度域での反応率を測定した。そして、温度5億Kで反応率が25倍に増大することを見いだしている。これによって、炭素燃焼が大質量星内部で始まる温度や密度が下がり、質量降着を伴う中性子星表面でのスーパーバースト点火の深さが浅くなる可能性がある。
2018年5月31日号の Nature ハイライト
気候変動:陸域の貯水量の定量化
量子物理学:フォトニックシミュレーションによる分子ダイナミクス研究
神経科学:ニューロンのバランスを取る
構造生物学:原核生物が隠し持つユビキチン化の仕組み
核物理学:大質量星内で促進される炭素燃焼
量子材料:グラフェンナノリボンの磁性
表面化学:界面におけるイオン輸送
幹細胞:Notch–コラーゲンV–カルシトニン受容体シグナル伝達が幹細胞の静止状態を維持する
免疫学:ミクログリアによるアストロサイト機能の制御機構
分子生物学:ADNPは調節複合体を形成して遺伝子発現を抑制する