Nature ハイライト
表面化学:界面におけるイオン輸送
Nature 557, 7707
表面や界面におけるイオン輸送は、制限された形状の影響が加わるとともに表面との相互作用の寄与があるため、バルク中よりも複雑になる。間接的手法によって表面拡散の情報が得られるが、個々のイオンを観察するだけの十分な解像度は得られていない。今回Y Jiangたちは、走査型トンネル顕微鏡法と非接触原子間力顕微鏡法を用いて個々の水分子とナトリウムイオンを表面で操作して、ナトリウムイオンに1~5個の水分子が配位した5種類のナトリウム水和物を構築し、直接観察している。著者たちは、水分子を3個持つ水和物が他の水和物よりも数桁速い速度で塩化ナトリウム表面上を拡散し、この速い拡散速度が三水和物と表面との対称性の不整合に起因することを見いだしている。
2018年5月31日号の Nature ハイライト
気候変動:陸域の貯水量の定量化
量子物理学:フォトニックシミュレーションによる分子ダイナミクス研究
神経科学:ニューロンのバランスを取る
構造生物学:原核生物が隠し持つユビキチン化の仕組み
核物理学:大質量星内で促進される炭素燃焼
量子材料:グラフェンナノリボンの磁性
表面化学:界面におけるイオン輸送
幹細胞:Notch–コラーゲンV–カルシトニン受容体シグナル伝達が幹細胞の静止状態を維持する
免疫学:ミクログリアによるアストロサイト機能の制御機構
分子生物学:ADNPは調節複合体を形成して遺伝子発現を抑制する