Nature ハイライト
免疫学:ミクログリアによるアストロサイト機能の制御機構
Nature 557, 7707
中枢神経系における炎症環境は、ニューロンとグリア細胞集団間での複雑な相互作用により決定される。F Quintanaたちは今回、多発性硬化症(MS)の実験的な自己免疫脳炎マウスモデルにおいて、ミクログリアがアストロサイトの機能を正と負に調節する機構について調べ、ヒトMSでも対応する分子により同様の機構が働いていることの裏付けを得た。食物中のトリプトファン代謝産物によって、アリール炭化水素受容体を介してミクログリアが活性化され、アストロサイトの転写プログラムと中枢神経系の炎症が調節されることが分かった。
2018年5月31日号の Nature ハイライト
気候変動:陸域の貯水量の定量化
量子物理学:フォトニックシミュレーションによる分子ダイナミクス研究
神経科学:ニューロンのバランスを取る
構造生物学:原核生物が隠し持つユビキチン化の仕組み
核物理学:大質量星内で促進される炭素燃焼
量子材料:グラフェンナノリボンの磁性
表面化学:界面におけるイオン輸送
幹細胞:Notch–コラーゲンV–カルシトニン受容体シグナル伝達が幹細胞の静止状態を維持する
免疫学:ミクログリアによるアストロサイト機能の制御機構
分子生物学:ADNPは調節複合体を形成して遺伝子発現を抑制する