Nature ハイライト
Cover Story:海鳥が仕掛けるわな:ネズミの侵入による海鳥個体数の減少は熱帯サンゴ礁の生態系に悪影響を及ぼす
Nature 559, 7713
表紙は、中央インド洋のチャゴス諸島に生息する海鳥の1種アカアシカツオドリ(Sula sula)の写真である。今回N Grahamたちは、こうした海鳥の糞は、島の動植物相に戻るだけでなく、隣接するサンゴ礁生態系に流れ込んで、サンゴ礁に生息する魚類の生産力と機能を向上させることを示している。彼らは、ネズミが多く生息している島では、海鳥の数、ひいては栄養塩類の堆積量が激減していることも明らかにした。著者たちは、海洋島のネズミを根絶すれば、均衡が戻る可能性があり、最終的にサンゴ礁の回復力の向上に役立つと示唆している。
2018年7月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:分数熱ホールコンダクタンスを観測
細胞生物学:溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
天文学:やはり彗星だったオウムアムア
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
古気候学:淡水から見た氷期の海洋循環
進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには
公衆衛生:大気汚染がアフリカの乳児の死亡リスクを上昇させる
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす