Nature ハイライト
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
Nature 559, 7713
真核生物では、六量体である複製起点認識複合体(ORC)が、ACSやB1のモチーフを含む複製開始部位に結合する。しかし、塩基配列認識の基盤は種によって異なっていて、まだ解明されていない。今回、N GaoとB Tyeたちは、72塩基対からなる複製起点DNA配列に結合した酵母ORCという新しい構造について報告している。六量体の中を通っているDNAは、折り曲げられていることが分かった。塩基配列特異性は、Orc1とOrc4の2つのタンパク質の一部が、ACSの副溝と主溝へそれぞれ挿入されることにより成立している。B1モチーフでも、同様の挿入がOrc2とOrc5によって行われていることが観察された。これらの結果は、種特異的なORCによる起点選択の基盤を明らかにしている。
2018年7月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:分数熱ホールコンダクタンスを観測
細胞生物学:溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
天文学:やはり彗星だったオウムアムア
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
古気候学:淡水から見た氷期の海洋循環
進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには
公衆衛生:大気汚染がアフリカの乳児の死亡リスクを上昇させる
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす