Nature ハイライト
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす
Nature 559, 7713
DNAの完全性は細胞の健康に非常に重要であるため、DNA損傷の修復には多くの経路が関与している。2005年以後、DNA修復因子を標的とする薬剤は、特に別のDNA修復経路にすでに異常がある細胞において、治療に有望であるというパラダイムが出現している。PARP阻害剤はDNA複製を停止させることで、ゲノム不安定性を引き起こすと考えられてきた。今回J Bartekたちは、PARP阻害が実際には複製フォークの進行速度を上げてDNA損傷を誘導し、この損傷は細胞に認識されないことを明らかにしている。これらの結果は、PARPの阻害が治療の効果を高めることができる機構についての新しい視点を示している。
2018年7月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:分数熱ホールコンダクタンスを観測
細胞生物学:溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
天文学:やはり彗星だったオウムアムア
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
古気候学:淡水から見た氷期の海洋循環
進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには
公衆衛生:大気汚染がアフリカの乳児の死亡リスクを上昇させる
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす