Nature ハイライト
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
Nature 559, 7713
1985年に、クラウス・フォン・クリッツィングは、量子ホール効果を発見した功績でノーベル賞を受賞した。量子ホール効果では、電気ホールコンダクタンスが量子化されて整数値をとり、トポロジカル物質相の存在を示す。同様に、熱コンダクタンスも量子化された値をとる可能性がある。今回、松田祐司(京都大学)たちは、キタエフスピン液体と呼ばれる物質において、熱ホール効果が半整数値に量子化されるという通常とは異なる特徴を持つことを示している。この半整数熱ホール効果は、マヨラナフェルミオン(粒子と反粒子が同一であるエキゾチック準粒子)のカイラル流が強電子相関に起因してこの物質のエッジを周回していることを示す証拠である。
2018年7月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:分数熱ホールコンダクタンスを観測
細胞生物学:溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
天文学:やはり彗星だったオウムアムア
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
古気候学:淡水から見た氷期の海洋循環
進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには
公衆衛生:大気汚染がアフリカの乳児の死亡リスクを上昇させる
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす