Nature ハイライト
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
Nature 559, 7713
膜を通る水の透過は、ろ過や淡水化などの用途において有効性を決定付ける大きな要因である。膜を通る輸送の速度は、膜の構造や形態を調節して制御されることが多い。今回R Nairたちは、電場を印加することによって、マイクロメートルの厚さの酸化グラフェン膜を通る水輸送をオン・オフ切り替えできることを報告している。この切り替えは、膜を通る電流の臨界電流密度で膜中に導電性フィラメントが形成されることに起因する。著者たちは、こうしたフィラメント付近の局所電場によって周囲の水分子がイオン化され、このイオン化によって水輸送が遮断されると示唆している。
2018年7月12日号の Nature ハイライト
物性物理学:分数熱ホールコンダクタンスを観測
細胞生物学:溶解酵素のDYRK3は液相分離を解消させる
分子生物学:酵母ORC–DNA構造から得られた複製起点選択機構についての手掛かり
天文学:やはり彗星だったオウムアムア
物性物理学:マヨラナフェルミオンによるホール効果の量子化
材料科学:透過と遮断を切り替えられる酸化グラフェン膜を通る水輸送
古気候学:淡水から見た氷期の海洋循環
進化論:公共財ゲームで協力を最大にするには
公衆衛生:大気汚染がアフリカの乳児の死亡リスクを上昇させる
DNA損傷:複製フォークの速度がゲノム不安定性を引き起こす