Nature ハイライト

Cover Story:不公平を暴く:求人ウェブサイトにおける差別を見つけるのに役立つ機械学習

Nature 589, 7843

世界中の多くの経済圏で、女性や少数民族集団に属する人は求職の際にしばしば不利な結果になる。しかし、こうした結果に差別がどのような役割を果たしているかはよく分かっていない。今回D HangartnerとD Kopp、M Siegenthalerは、求人ウェブサイトにおける採用担当者の検索行動を追跡し、機械学習アルゴリズムを用いて採用担当者が見る求職者の特徴を調整することによって、雇用差別を定量化する方法を提示している。著者たちは、この手法をスイスのオンライン求人プラットフォームで検証し、採用担当者が連絡を取る割合は、少数民族集団に属する求職者では、多数民族集団に属する以外は同等の求職者に比べて4~19%低いことを見いだした。さらに、男性が多数派の職業では女性が連絡を受ける割合が7%低いが、女性が多数派の職業の男性求職者では逆のパターンが見られることも見いだされた。著者たちは、このツールによって、求人における差別を継続的に監視してそうした差別をなくすための、費用対効果が高くて非侵害的な方法が得られると示唆している。表紙は、求人における差別をイメージした画像である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度