Nature ハイライト
ナノスケール材料:ゲルマニウムによる半導体キュービットのスケーリング
Nature 577, 7791
量子コンピューターの基本構成要素は、量子ビット(キュービット)である。キュービットは、さまざまなプラットフォームを使って作製できるが、大きなキュービット数へのスケーリングにはそれぞれに特有の課題がある。シリコンの量子ドットには、古典コンピューターを支えている材料を利用できるという利点があるが、シリコンキュービットの定義、調整、操作を難しくするさまざまな要因があるため、スケーラビリティーが課題として残っている。今回N HendrickxとM Veldhorstたちは、関連材料であるゲルマニウムに目を向け、ひずんだゲルマニウムでキュービットと、単一キュービットゲートおよび2キュービットゲートを実証している。ゲルマニウムは、シリコンの制約を受けないだけでなく、量子論理に利用できる強いスピン–軌道結合もある。今回の研究は、ゲルマニウムが量子計算向けの最もスケーラブルな量子ドットプラットフォームになる可能性を示唆している。
2020年1月23日号の Nature ハイライト
原子物理学:自己組織化臨界現象
ナノスケール材料:ゲルマニウムによる半導体キュービットのスケーリング
物性物理学:固体を二次元ファンデルワールスナノ結晶へ変換する
エネルギー科学:リボンかハニカムか
水文学:三角州の正味の増大
神経発生:ヒト海馬発生の分子アトラス
発生生物学:ヒトの胚形成の解明
微生物学:母体の微生物相が新生仔の感染を防ぐ交差反応性IgG抗体を誘導する
がん免疫学:B細胞と三次リンパ組織様構造は免疫療法の奏効性を予測する
がん:がんと発生でEMTと繊維化を結び付ける仕組み
ウイルス学:cOAを標的とする新規な抗CRISPR酵素
分子生物学:クロマチンによる複製起点活性化の調節