Nature ハイライト

エネルギー科学:リボンかハニカムか

Nature 577, 7791

アルカリを多く含む遷移金属酸化物カソードは、遷移金属について予想される電荷貯蔵に加えて、酸素の酸化還元によって「追加の」電荷を貯蔵できるという事実から、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させる数少ない手段の1つとなっている。しかし、これまでのこうした材料は全て電圧ヒステリシスを示し、この追加的な電荷の恩恵は、最初のサイクルの後、直ちに打ち消される。今回P Bruceたちは、この電圧損失の不可逆性が、遷移金属の移動を駆動する分子状酸素の形成に起因すると説明している。こうした遷移金属の移動は、適切なカソード超構造(すなわち「リボン」超構造)を選ぶことによって抑制でき、そのため電圧ヒステリシスが制御可能になる。

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