Nature ハイライト
エネルギー科学:リボンかハニカムか
Nature 577, 7791
アルカリを多く含む遷移金属酸化物カソードは、遷移金属について予想される電荷貯蔵に加えて、酸素の酸化還元によって「追加の」電荷を貯蔵できるという事実から、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させる数少ない手段の1つとなっている。しかし、これまでのこうした材料は全て電圧ヒステリシスを示し、この追加的な電荷の恩恵は、最初のサイクルの後、直ちに打ち消される。今回P Bruceたちは、この電圧損失の不可逆性が、遷移金属の移動を駆動する分子状酸素の形成に起因すると説明している。こうした遷移金属の移動は、適切なカソード超構造(すなわち「リボン」超構造)を選ぶことによって抑制でき、そのため電圧ヒステリシスが制御可能になる。
2020年1月23日号の Nature ハイライト
原子物理学:自己組織化臨界現象
ナノスケール材料:ゲルマニウムによる半導体キュービットのスケーリング
物性物理学:固体を二次元ファンデルワールスナノ結晶へ変換する
エネルギー科学:リボンかハニカムか
水文学:三角州の正味の増大
神経発生:ヒト海馬発生の分子アトラス
発生生物学:ヒトの胚形成の解明
微生物学:母体の微生物相が新生仔の感染を防ぐ交差反応性IgG抗体を誘導する
がん免疫学:B細胞と三次リンパ組織様構造は免疫療法の奏効性を予測する
がん:がんと発生でEMTと繊維化を結び付ける仕組み
ウイルス学:cOAを標的とする新規な抗CRISPR酵素
分子生物学:クロマチンによる複製起点活性化の調節