Nature ハイライト
微生物学:母体の微生物相が新生仔の感染を防ぐ交差反応性IgG抗体を誘導する
Nature 577, 7791
母体からの移行抗体は新生仔の感染を防ぐと考えられている。D Kasperたちは今回、マウスにおいて母体の共生微生物相によって多様な抗体が誘導され、そうした抗体が母乳を介して新生仔に伝えられる仕組みを明らかにしている。また、これらのIgGが新生仔マウスで、腸内病原菌である毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)の感染を防ぐことが分かった。今後の研究で、この機能的な免疫多様化と伝達をヒトの母親と新生児の間にも適用できるかどうかが明らかになるだろう。
2020年1月23日号の Nature ハイライト
原子物理学:自己組織化臨界現象
ナノスケール材料:ゲルマニウムによる半導体キュービットのスケーリング
物性物理学:固体を二次元ファンデルワールスナノ結晶へ変換する
エネルギー科学:リボンかハニカムか
水文学:三角州の正味の増大
神経発生:ヒト海馬発生の分子アトラス
発生生物学:ヒトの胚形成の解明
微生物学:母体の微生物相が新生仔の感染を防ぐ交差反応性IgG抗体を誘導する
がん免疫学:B細胞と三次リンパ組織様構造は免疫療法の奏効性を予測する
がん:がんと発生でEMTと繊維化を結び付ける仕組み
ウイルス学:cOAを標的とする新規な抗CRISPR酵素
分子生物学:クロマチンによる複製起点活性化の調節