Nature ハイライト

古生物学:保存状態の良好な初期霊長類の化石

Nature 498, 7452

<i>Archicebus achilles</i>の模式標本(IVPP V18618)の3D再構成画像。
Archicebus achillesの模式標本(IVPP V18618)の3D再構成画像。 | 拡大する

Credit: Xijun Ni et al.

霊長類進化の最初期の段階に関する情報は、化石記録に空白部分があるために限られている。しかし、中国の始新世前期の地層(5500万年前のもの)から、小型で極めて原始的な霊長類のほぼ完全な骨格が、かなりの部分の関節がつながった状態で発見されたことで、今回いくつかの手がかりが得られた。この新たに発見された霊長類は、既知のもので最古のメガネザル類と考えられ、真猿類系統が極めて初期に他の霊長類から分岐したことを示唆している。この化石霊長類は現在のピグミーネズミキツネザルほどの大きさで、骨格の特徴から、敏捷な昼行性の食虫性動物であったと考えられる。

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