Nature ハイライト
応用物理学:ラマン分光による単一分子の内部構造解明
Nature 498, 7452
ラマン分光法は、特徴的な分子振動を検出して分子を特定する方法であり、現在広く用いられている。また、改良も進められており、スペクトルシグナルを増強する強い局在プラズモン場を利用して、単一分子レベルでも使えるようになっている。今回の研究はさらに先を行くもので、プラズモン共鳴の精密調整により1 nm以下の空間分解能でラマン分光の画像化を可能にする「ティップ増強ラマン散乱」(TERS)に関する手法を実証するとともに、単一分子の内部構造と表面形状さえも解像している。この手法は、単一分子レベルの光化学に向けて新しい道を開くとともに、必要に応じて分子の機能を設計・制御・操作する可能性をもたらすものである。
2013年6月6日号の Nature ハイライト
古生物学:保存状態の良好な初期霊長類の化石
神経科学:ラットは上を目指す
細胞:ゲノムおよびクロマチンの摂動を感知する
物性物理学:擬ギャップ周辺の転移
物理学:フェルミガス中の第二音波
応用物理学:ラマン分光による単一分子の内部構造解明
地球:太古の石英に見つかった始生代の大気中のアルゴン
微生物学:糖尿病リスクの腸内マーカー
免疫:腸内細菌に対する免疫応答
生化学:隠れた代謝産物がタンパク質合成に関わっている