Nature ハイライト
免疫:腸内細菌に対する免疫応答
Nature 498, 7452
最近その性質が明らかにされた自然リンパ球(innate lymphoid cell;ILC)は、機能的に3つのグループに分類することができる。グループ1のILCはインターフェロンγ(IFN-γ)を産生し、グループ2はインターロイキン(IL)-5とIL-13、それにアンフィレギュリンを発現し、そしてグループ3はIL-17AとIL-22を産生する。適応免疫が存在する場合のILCの機能や、これらの細胞が適応免疫での細胞応答へ影響を及ぼす可能性については、ほとんどわかっていない。今回、マウスを使った研究で、グループ3のILCが抗原のプロセシングと提示を行い、MHCクラスII依存的な機構によって腸内共生細菌に対するCD4+ T細胞応答を制御していることが示された。この知見は、共生細菌に対する宿主の炎症性免疫応答と関連するヒト慢性疾患の病因と関係があるかもしれない。
2013年6月6日号の Nature ハイライト
古生物学:保存状態の良好な初期霊長類の化石
神経科学:ラットは上を目指す
細胞:ゲノムおよびクロマチンの摂動を感知する
物性物理学:擬ギャップ周辺の転移
物理学:フェルミガス中の第二音波
応用物理学:ラマン分光による単一分子の内部構造解明
地球:太古の石英に見つかった始生代の大気中のアルゴン
微生物学:糖尿病リスクの腸内マーカー
免疫:腸内細菌に対する免疫応答
生化学:隠れた代謝産物がタンパク質合成に関わっている