Nature ハイライト
物理学:フェルミガス中の第二音波
Nature 498, 7452
有限温度における超流動体現象の多くは、通常の流体のようにふるまう常流動体成分と、ゼロ粘度とゼロエントロピーの超流動体成分からなる二流体混合物として説明できる。超流動体の二成分性は「第二音波」に現れるものであり、同位相で振動する通常の「第一音波」とは違って、超流動体成分と非超流動体成分が逆位相で振動するエントロピー波である。L Sidorenkovたちは、強く相互作用する極低温フェルミガスの第二音波を観測した結果を報告している。これによって、超流動分率の温度依存性を求めることができた。この量は、これまで得られなかったものであり、強く相互作用する量子ガスの理論の重要な評価基準となるだろう。
2013年6月6日号の Nature ハイライト
古生物学:保存状態の良好な初期霊長類の化石
神経科学:ラットは上を目指す
細胞:ゲノムおよびクロマチンの摂動を感知する
物性物理学:擬ギャップ周辺の転移
物理学:フェルミガス中の第二音波
応用物理学:ラマン分光による単一分子の内部構造解明
地球:太古の石英に見つかった始生代の大気中のアルゴン
微生物学:糖尿病リスクの腸内マーカー
免疫:腸内細菌に対する免疫応答
生化学:隠れた代謝産物がタンパク質合成に関わっている