Nature ハイライト
神経科学:ラットは上を目指す
Nature 498, 7452
霊長類のように目が前方に向いている動物は、頭の動きとは関係なく、左右両眼の像を融合させるように両方の眼球の位置を決めている。今回、J Kerrたちは、齧歯類の両眼の協調はこれとは別の戦略に従って行われていることを明らかにした。特別に作られた小型の眼球運動ビデオ撮影装置を用いた実験から、自由行動中のラットは、両眼の視野が頭上で常にオーバーラップするように眼球を動かしていることがわかった。だが、この場合は両眼が常に連動しているわけではない。ラットは地上性の動物で、上方からの脅威を受けることが多い。従ってこの戦略は、頭上の捕食者を常に見張る手段として進化した可能性がある。
2013年6月6日号の Nature ハイライト
古生物学:保存状態の良好な初期霊長類の化石
神経科学:ラットは上を目指す
細胞:ゲノムおよびクロマチンの摂動を感知する
物性物理学:擬ギャップ周辺の転移
物理学:フェルミガス中の第二音波
応用物理学:ラマン分光による単一分子の内部構造解明
地球:太古の石英に見つかった始生代の大気中のアルゴン
微生物学:糖尿病リスクの腸内マーカー
免疫:腸内細菌に対する免疫応答
生化学:隠れた代謝産物がタンパク質合成に関わっている