Nature ハイライト
神経科学:神経活動を調べるための新しいセンサー
Nature 499, 7458
遺伝学的手法によって導入されるカルシウムセンサーを使って、無脊椎動物の小さな脳のニューロン活動を記録できるようになったが、この方法はまだ脊椎動物の古典的な電気生理学に後れを取っている。今回D Kimたちは、選択的な変異誘発法を用いて新しい超高感度プローブ(GCaMP6)を開発し、これによってハエからゼブラフィッシュまでのin vivo画像化で空間的・時間的な分解能を向上できたことを報告している。さらにGCaMP6は、マウス視覚野でのニューロンの細胞体の単一活動電位や、単一樹状突起棘の方位選択性も確実に検出できる。GCaMP6センサーを使用すれば、大規模ニューロン群だけでなく微小なシナプス区画についても数か月おきに複数回の画像化を行えるため、GCaMP6は脳研究やカルシウムシグナル伝達研究のための融通性に富む新しい手段となる。
2013年7月18日号の Nature ハイライト
神経科学:神経活動を調べるための新しいセンサー
発生:筋肉を作り上げるタンパク質
細胞:血管新生タンパク質であることが分かったLRG1は薬剤標的候補
物理:ジョセフソン効果の新展開
材料:二段階プロセスによる太陽電池の大幅な性能向上
生物無機化学:ハロゲナーゼSyrB2反応中間体の構造
地球:森林の水利用効率の大幅な上昇
医学:腸チフスの鍵となる新規毒素
生物物理:リボスイッチには、オン、オフと「状況次第」がある
分子生物学:転写の方向性を制御する